2008年8月26日火曜日

PEI の思い出 3


 PEI で私たちが楽しんだのは、アンとロブスターばかりではありません。その昔フランス人とイギリス人による領土争いが始まる前から、ずっとあった海と赤土と緑の自然。道路など今ではもちろん島民や観光客の便利なように整備されているものの、変わらない魂の強さを感じます。
 ガイドブックで見た水の上の遊歩道を歩いてみたくて、エリックに車を走らせてもらいました。朝から肌寒く、あいにくの曇り空。駐車場から野原を通り、林を抜け、やっと遊歩道にさしかかる頃には強風に加えて霧のような雨が降り出しました。帽子と傘はあきらめてそのまま先に進み、行き着いた先は荒海。雨も風も波も自然の一面だと思ったら、苦にはなりませんでした。

 「この人と一緒にいれば、一人でいるよりも世界が広がる。」
エリックとの結婚を決めたときの気持ちを思い出しました。結婚記念日のイベントとしても、また新しい土地を訪れる冒険としても、今回の旅行は大成功だったと思います。

2008年8月24日日曜日

PEI の思い出 2


 島に滞在中は、毎日ロブスターを食べました!予算は限られているので、まるごと食べたのは1回だけですが、スープやパスタやサンドイッチを注文するときにも、ロブスターが入っているものを選びました。
 宿泊は Victoria (ビクトリア)という小さな村の民宿。ここから2分も歩けばもう海です。初日に食事をした海辺のレストランで、ウエイトレスさんに手頃な価格でロブスターを食べられるところを聞きました。
「聖アン教会の Lobster Supper (ロブスター定食)がおすすめ!」
 やっぱりクチコミ情報は頼りになります。田舎道を運転し、たどり着いたのはモダンながらに質素な教会。この地下の食堂で写真のロブスターをいただきました。美味しかったことは言うまでもありません。ここのウエイトレスさんに、なぜ教会でロブスター定食を出しているのか尋ねたら、もとは献金を募る目的で始めたということを教えてくれました。

<物価ご参考>…通貨はカナダドル、価格はだいたいの情報です。
ロブスター定食一人前(ムール貝の前菜・スープ+パン・サラダ・ロブスター1尾・デザート):$45.00
追加ロブスター1尾:$15.00

2008年8月22日金曜日

PEI の思い出 1

 
 昨夜11時過ぎに帰宅しました。今日は朝から私は洗濯、エリックは大学に出かけました。PEIPrince Edward Island プリンス・エドワード島)で過ごした4日足らずの休日は、観光・グルメはもちろんのこと、地元の人々と出会い自然と触れあい、とても充実したものでした。

 まず訪れたのは、『赤毛のアン』の舞台 Green Gables (グリーン・ゲイブルズ=緑の切妻屋根)。物語のイメージそのままの家を見ると、アンが実在の人物ではなかったことをつい忘れてしまいます。数々の道具や部屋のしつらえに垣間見る100年前の素朴で丁寧な暮らしぶり。何でも手作りする時代には不便も多かったことでしょうが、ものを大切にし自然を慈しむ心は逆に豊かだったように思います。
 旅行前に読み終えることのできなかった原書を、これから時間をかけて読んでいくつもりです。この島の海と赤土と緑に囲まれた景色を思い浮かべながら…。

2008年8月15日金曜日

ブルーベリー狩り


 この間の日曜日、バッファロー郊外の農場にブルーベリー狩りに行きました。今にも雨が降り出しそうな曇り空の下、義父母と4人で急いで摘むこと約1時間。家に帰ってから、数日中に食べる分を除き、小袋に分けて冷凍しました。来年の夏までの間、少しずつミルクシェークやマフィン・パイなどに使う予定です。
 さて、来週はいよいよプリンス・エドワード島です。この数週間は、エリックと二人で『赤毛のアン』のDVDを観たり、インターネットで現地の天気を確認したりして、気分を盛り上げてきました。少し涼しいようなので、長袖の服を持っていくつもりです。

<今日の天気>
バッファロー:晴れ、ところによりにわか雨 最高気温24℃ 最低気温14℃
シャーロットタウン(プリンス・エドワード島):最高気温23℃ 最低気温15℃

2008年8月9日土曜日

グリーンカード


 1年も前から更新申請をしていたグリーンカードがやっと届きました。初回発行は2年間、2回目以降は10年間の有効期限です。昔は紙のカード自体が緑色だったようですが、今では鏡面仕上げの樹脂製。表には顔写真・指紋・出身国・生年月日などが記載されています。裏は謎の黒光り。さすがに、これは偽造できそうにありません。
 結婚するときに、国籍がどうなるのかが疑問でした。「アメリカ人になるの?」と聞かれたこともあります。国籍とは、市民としてどの国に属しているかということ。私は今も日本人(=日本国籍)です。アメリカでは外国人だけれど、アメリカ人と結婚してこちらで生活しているので、永住権を認められているわけです。
 グリーンカード申請には、自分が合衆国居住者としてふさわしいことを証明する数々の書類や証拠物が必要です。夫婦揃っての面接もありました。9・11以降は特に手続きが面倒になったということです。でも、逆の立場―自分の国を侵略者から守る立場―だったら、慎重になるのは当たり前のことなのかもしれません。

写真:先立ての Garden Walk で見かけた木。住人に木の名前を聞いたら Smoke Tree (煙の木!)と教えてくれました。

2008年8月3日日曜日

ほんの気持ち


 先日、博物館のイベントで受付をしたときのこと。ちゃんとしたクロークはないのですが、荷物を預かって欲しいという人がいました。「机の後に置いて、私が見ておきますよ」と対応。数時間後に荷物を取りに戻ったその紳士は、イベントに出されていたカップケーキを持ってきてくださいました。直径3センチほどの小さなカップケーキはきれいに飾られ、ひとつでも十分な甘さでした。
 別件で、博物館にエリックと親戚の一行を連れて来たときのこと。その日予定されていた館内ツアーが突然キャンセルされ、皆を招待した私の立場がなくなってしまいました。ちょうど居合わせたボランティアのガイドさんに即興のツアーをお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。エアコンがなく蒸し暑い中、声がかれるまでの熱心な説明でした。後日、上司にそのガイドさんの住所を尋ね、お礼状に折鶴を添えて送りました。
 自分が親切で何かをするとき、見返りを求めているわけではありません。でも、無欲で心を尽くしてもらったときには、感謝の気持ちを伝えたいものです。(これがレストランでウエイトレスに渡すチップの本来の意味でしょう。)「ほんの気持ち」を伝える方法は、色々あるのではないかと思います。